2021年8月21日土曜日

飼い主なんかちょろいもんだ by MATSU


 暑かった日、毛だらけの猫にはクーラーもなくただ耐え忍ぶのも気の毒だと思い、夜風が少しひんやりする頃に毎日ブラッシングしてやったことに味を占め、もう十分しのぎやすくなったのにずっとブラシの前に座り込み催促する。黙って恨めしそうに座ってる。目を合わせない様にしても動かない。「あのね!あまりブラシすると毛が抜けてもう少し寒くなると風邪ひくよ、お前。」聞く耳を持たない。やるまでジッと座ってる。猫のこういう才能はちょっと真似ができない。「俺はいいんだよ、別に何にもされなくても文句ないし、ただここにずっと座ってるだけだから、もしやりたくなったらそのブラシ持って背中をさーっとやってみれば。」ということなんだろうけど飼い主なんかちょろいもんだと思ってるのだろう。

毎日毛を梳いてやったら夜風が冷たくなり本当に風邪をひいたみたいで時々くしゃみしている。このままいくとクリスマスの頃には柔らかい暖房用の毛は無くなってしまうな、もうやめるべ?な?

テレビが突然真っ暗なまま映らなくなった。

何か理由があって壊れたのかどうかも告げずに突然映らなくなった。人は大抵こういう時はいろんなことをする。リモコンのスイッチをなんども押す。一応電源は点いている。DVD,オーディオスピーカー、JCOM、ファイアスティック、ゲームの切り替えリモコン次から次から押す。本電源をOFFにする、電源本体を引っこ抜く、関係ない電源も引き抜く。何も反応しない。

もう一度電源を入れる。緑のランプがじっと点いたままで相変わらず。赤いランプが点滅に変わる。よくその意味もわからない。もうお手上げでじっとそのランプの点滅を何気なしに数えてみると13回、それでちょっと間があり、また点滅が始まる。また13回。結局13回が人セットになっていて点滅する。何かの信号なのか?結局映る気配が全くないと諦め着いたのでメーカーのコールセンターに電話する。話の途中で13回の点滅を話したら、これが驚きで基盤が壊れているという信号らしい。さすがにテレビといえ今ではパソコンなのだ、当たり前と言えば当たり前なんだけど、すごいねえ。月曜日に基盤を持って係りの人がやってくる。

何か修理するのに人が来るというのは結構珍しいな、この時代。それもテレビ。

うーん、やってみるとテレビがなくても別に困らないということがわかった。

習慣だった。テレビをつけるというのが。

テレビがないとコロナの話も突然減る。人それぞれと言いながらも、やっぱりコロナはメディアから流れて来るのがよくわかる。メディアを拒否すればコロナは消える。そういう人も世の中にはたくさんいるのかもしれないしその方が楽だな。考えることも人に任せた方が楽になるというのも何となくわかる。

修理屋さんが来ると習慣がまた始まる。映画やドラマだけ見たいんだけど油断してるとぐちゃぐちゃになったものも溢れて来る。

 ※  ※  ※

BOOKENDS 2  20回分(日曜日27:30〜28:00 HBCラジオ)の原稿です。

思いのほか体力のいる番組になっています。





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