2017年8月18日金曜日

この眉間のシワが見えないか!早乙女幸男之介。



帯広HOLLY'S ホーリーズのホール柊での最後のライブも無事に終了。
リハーサルの時に2弦が唸っていてなかなかハウリングが取れない。モニターの方向を変えてみる。
堀越君も僕も神経質の度合いが似ているのかお互い眉間にシワがよる。
これは頑固ジワと言って、思い込んだらそう簡単に意見や主義を曲げない、一見首尾一貫しているように見えるんだけど、ただただ意固地な人に多い。僕らは頑固一徹、思い込んだら始末に負えない。ずいぶんな言いようだ。堀越君は違うかもしれないけど、まあ、仲良しだから頑固というところで手を打ちましょうか。

柊は完全に住居にシフトを移して、ライブはこれから店でやるそうです。

釧路から帯広まで電車で動き、駅からホテルにチェックインして服広げて、風呂入ってご飯食べ損なって、ホーリーズに着き、まずまずと言ってコーヒーを飲ませてもらって、それから堀越君と二人でグダグダとお互い眉間に皺寄せて人生の悲哀を語り合って、すっかり気が滅入ってからリハーサル始める。2弦が唸ってる。
何曲か歌ってるうちに問題も解消して後は本番。

ライブの様子はなかなかうまく言葉にできない。
決まった量の空気を大勢で吸って吐いて吸って吐いて、それを歌で撹拌してドロドロの煎じ薬に変えていくんだね。成分は毎回違うものになっている。
よほどのことがない限り体にはいいはずだ。
何を歌ったか、何を話したかは忘れていくものだけど、そこの会場の空気感だけは覚えていられる。来てくれて一緒に薬づくりに貢献してくれた皆さんに感謝します。

ありがとう。

終わってからトマト鍋をいただいた。7月の暑い夏、打ち上げに鍋が出てくるところなんてホーリーズくらいかもしれない。ご飯食べ損なった身としては本当にしみました。

明日はきたむら(かっぺ)フェスティバルに行って来ます。
岩見沢の近所で岩見沢市北村赤川156−1 北村中央公園ふれあい広場
お祭りなので自由参加です。
哲治とトールとで歌って来ます。お祭りはあまり出たことないんだけど、藤井君が「盛り上がる祭りですよ。僕は親戚がそこにたくさんいるので毎年行ってます。」とラジオの時に言ってました。本当にいるんだろうな、藤井君。

上の写真は9月14日セプテンバー バレンタインコンサートのものです。
今年も絶賛開催されることでしょう。
写真はFIXEの須田さん、デザインがスウィッチの橋本さん、例年のコンビです。
今回は上を向いて、未来を展望しながら眉間に皺寄せています。
詳細はこれからレポートします。





2017年8月14日月曜日

どっちもどっちだぜぃ!


「こんちわー。」
カポタストなんかそうそう忘れるもんじゃないんだけど、実際ギターケースを開けて見たら入っていない。去年も入っていなかった。釧路はカポタストを忘れてくるところなんだなあ。
 しょうがないんで、携帯の検索をかけて見ると泊まっているホテルの近所に楽器屋があるらしい。携帯で何かを検索するというのは普段ほとんどやらない。便利なのはわかってるんだけどやらない。別に理由はないんだけど、やらない。一緒に番組やってる藤井はひっきりなしに検索する。ラジオのディレクターだからというのと、僕が適当に喋って責任取る気配がないもんだから、情報や記憶に関することをしゃべるとこまめに検索をする、職業病だな、可愛そうに。そのおかげで今の所事故がないんで感謝してるけど。
 その検索だけど、どうやら啄木通りという道路沿いにその楽器屋はあるようだ。

途中古いだろうと思われるギャラリー兼カフェがあって、その通りの面目をすごく立てている。
ギャラリーとかカフェという建物はその出現でその界隈のグレードを一気に引き上げる効果があり、これがパチンコ屋とかスマートボール屋だと少し荒む気配が漂い、旅人にはいい脱力感をもたらすんだけど、勝手言わせてもらえば今日のところはギャラリーカフェ。
街を歩いて久しぶりに「ああ、この通りはとても自分の好きな気持ちに手が触れられる通りだ。」と人に聞かれたらヒイェーと言って逃げられそうなことをうっかり言ってしまう。
「こんちわー」
外から見ると楽器屋には見えない。
昔懐かしい駄菓子屋みたいな風情、駄菓子屋と違うところは戸が開いてないし、中が暗い。楽器屋さんのニューウェーブと言えなくもない佇まい。ニューウェーブというのはだいたい新しいからニューというんだけど、ここは一風変わっているという意味でのニューウェーブ。
さっき言った(言ってないけど)時間が瓶に入って外界と触れていない感じ、大島渚の映画に出て来そうな粒子の粗い世界のような、そう簡単には言い表せない空間感。
店はひらいてるのに店の人はいない。
もう一度呼びかける。
「コンチわー。」
             ・・・・・
「はい。」
びっくりした。
すぐ近所にいた。
             ・・・・・
「カポタストありますか。」
店の主人だね、どう見ても。
「カポタストはギターの、このフレットに挟んでですね、キーを変えるものでですねえ、古くはゴムのものから最近はバネがついて収まりやすいのまで。ギターはですねえ、フォークギター、クラシックギター、エレキギターとあってですね・・・・」
結構長い時間カポタストのレクチャーを受ける。主人は僕を、年取った男がギターを弾きだして、ようやくカポタストの必要性に迫られて買いに来たと思ってるようだ、と後になって気がついた。その時は、普段、楽器屋に気軽にカポタストを買いに行き、まさかカポタストの講義受けることなんてないから僕自身も結構怖じ気ついていたのかもしれない。
店にある商品をガラスケースに全部並べてくれた。
普段楽器屋でカポタストを全部並べてもらって買うなんて経験したことがなく、大体は自分で適当に見繕って、これって感じで買うのが習慣になっているので、今度は迷う番がやって来た。大体持っているものだし、珍しいものはなく、こうやって丁寧に並べられて、さあ、どれにする?って言われると思いの外判断できない。
帰り際、ガラガラの戸を閉めてふと貼られているフライヤ見ると、僕のえいが館でのものだった。なんかウェルカム、ミステリーゾーンだった。ロッド・サーリングだな。

えいが館のサオリさんに聞いたら昔からある楽器屋さんで、ご主人は僕よりも年齢が上でどっちもどっちだねって。
サオリさんは今年も元気に健気にえいが館頑張っていました。霧の街、古い映画のようなロマンティックでミステリーゾーンで時間の瓶詰めみたいな街でのライブ、楽しかったです。安藤さんに「幸男さん、声出てるね、年取ってから。」と褒められました。安藤さんは声出てない頃から知っている人で、デビューした時から応援してくれてた人です。その当時、楽屋に訪ねてくれた時の肩組んでる写真あるので機会あったら見せてあげたいなあ。