2025年3月21日金曜日

とらやの夜の梅 いつ食べる?でかい








自分に勢いがあるかどうかはわからない。

「時間です!」と告げられて舞台に上がってゆく。お客さんに挨拶して、時には軽く手を振ってみる。ギターを抱え、イヤモニを左耳に装着し、軽く深呼吸するとドラムの新村君からのカウントが数えられる。

「ワン、ツーー、スリー!」

リハーサルを重ねる。

いつもメンバーは違えど練習スタジオの景色は変わらない、アンプやコード、ミキサー卓、雑然と壁に立てかけられているパイプ椅子の塊、誰かには必要な、ひっきりなしに自分やメンバーのフォーメーションを確認する正面に広がる鏡。マイクにマイクスタンド、譜面台、人がいなければ物置なんだけど、人が入ると俄然狭くなる。

自分に勢いがあるかどうかわからない。

それでも3時間4時間のリハーサルには付き合える。疲れるけれど、さしあたって振り絞らなければ出てこないエネルギーではないから、終わって虫の息にはまだならない。Garage Bandという昔からのバンドで今回はやるのでストレスは軽い。

僕らは立派なおじさんをちょっと過ぎた頃合いになっているのでそうそう笑わない、見た目も不機嫌に見える、側によるともっと不機嫌に見える。どこか顔面の神経がいっちゃってる感じがするけど、これが普通だ、何か文句あるかという感じで日常暮らしているので今更笑顔でとは言えない。別可愛さが特に必要とも思わないからいい。それと毎日一緒に暮らしてるわけじゃないから困らない。

Garage Bandのイントロからスタートする。「一途な月」をレコーディングしたメンバー勢揃い(Bassの哲治は当時木谷将夕だったけど)で簡単にあの頃に帰っていく。あの頃クリアできなかったことが今は簡単に飛び越えていける。自分自身の歴史を抱え持ってここまで来た、年齢っていうんだけど。この曲はこのバンドのテーマソングでアマチュアのようにいつも音楽が好きで毎週金曜土曜日はバンド練習で自分の家のガレージを集合場所にして音を出す、そんな奴らの集まり。音楽を始めた原点の心をいつも持ち続けるという意味を込めて作った曲だった。

みんなおじさんになり、おじいさんになり機嫌が良いのか悪いのか判別不能になってもBand,yeah!でいけたらいつまでもハッピーだ。ふと「スペース カウボーイ」を思い出した。

春の恒例のライブは終わった。

みんな機嫌が良い、ということがわかった。


2020年の11月27日は機嫌悪かったみたいだ。





今日も良いいち日を!